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紫陽花の色が変わる理由と土の関係性:なぜ花の色が変わるの?

サイエンス

紫陽花(アジサイ)の色は土の酸性度によって青やピンクに変わることが広く知られています。

この記事では、紫陽花の色が変わる理由と、土の関係性を詳しく解説します。

多彩な色彩で日本の梅雨を美しく彩る紫陽花は、「七変化」とも呼ばれるほど色の変化が顕著です。

紫陽花の花言葉は「移り気」「浮気」「無常」などとされていますが、そう聞くと何とも言えない感じがしますね…^^;

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紫陽花の花の色が変わる理由:科学的なメカニズム

アジサイの色変化は、花に含まれる色素「アントシアニン」と土壌中のアルミニウムイオンが化学反応を起こすことで引き起こされます。

アジサイは通常、アントシアニンによってピンク色を示しますが、土壌の性質により色が変わることがあります。

アルカリ性の土壌(pH 6.0~6.5)ではアルミニウムの溶出が少なく、花はピンク色を保つことが多いです。

一方、酸性の土壌(pH 5.0~5.5)ではアルミニウムが溶け出しやすくなり、アントシアニンと結合して花の色を青く変えることがあります。

  • アルカリ性の土⇒ピンク色の花
  • 酸性の土⇒青色の花

土壌のpH値以外にも、土の水分量やリン酸の濃度など、他の環境要因も花色に影響を及ぼす可能性があります。

  1. 土壌中のアルミニウム濃度 アルミニウムを含まない土壌では、アジサイの花色は元の状態を保ちます。
  2. 土壌の酸性度 土壌が酸性を示すほど、アルミニウムが溶出しやすくなり、結果としてアジサイの花が青く変わる傾向があります。
  3. 土壌の保水性 水分を多く含む土壌では、アルミニウムの溶け出しが促進され、アジサイの花が青く変わることがあります。
  4. 土壌のリン酸塩濃度 土壌中のリン酸塩が豊富だと、アルミニウムの溶出が阻害され、アジサイの花色が変わりにくくなります。
  5. 品種による色の固定性 アジサイの中には、アントシアニンを含まない白い品種や、色が固定されているアナベルやノリウツギなどがあります。これらの品種は土壌の性質に関わらず色が変わりません。

土のアルミニウム濃度と紫陽花の色変化

アジサイは土壌からアルミニウムを吸収し、その量が花色に影響を及ぼします。

日本の土壌には自然にアルミニウムが豊富に含まれることが多いですが、アルミニウムが少ないピートモスなどを使用すると、青色化を抑制できます。

アルミニウム濃度を上げる場合、硫酸アルミニウムやミョウバンを500倍から1000倍に薄めて、秋と春に3週間ごとに2回から3回施すと良いでしょう。

これにより、アジサイは鮮やかな青色に染まります。

日本の土壌pHと肥料の影響

日本の土壌は降水量が多いため、一般に酸性が強くなりがちです。

肥料の残留が土壌のpH値に影響することもあります。

肥料成分によって土壌の酸性度やアルカリ度が変わるため、肥料の成分を理解し、適切な量を施すことが重要です。

  • 酸性を強める肥料: 硫安、硫酸カリ、塩化カリ
  • アルカリ性を強める肥料: 石灰窒素、硝酸ソーダ、硝酸石灰

土の水分量とアルミニウムの吸収

土壌が乾燥していると、アルミニウムの吸収効率が低下します。そのため、水分が不足している状態では、美しい青色のアジサイを育てるのが困難になることがあります。

土のリン酸の影響

土壌中のリン酸濃度が高いと、アルミニウムの吸収が抑制されます。

リン酸は花の成長に必要な栄養素ですが、リン酸濃度が高い肥料を過剰に使用すると、アジサイの青色発色が難しくなることがあります。

紫陽花のアントシアニンの有無

通常、アジサイはアントシアニンを含んでおり、土のpH値によって色が変わります。しかし、白いアジサイはアントシアニンを含まず、どんな土壌で育てても白色の花が咲きます。

色が変わりにくい品種の紫陽花

特定のアジサイ品種は土のpH値に影響されず、花の色が変わりません。

  • アナベル ミディピンク
  • ノリウツギ グランデ クイックファイヤー

青色の品種はアルカリ性の土で育てても青色、赤色の品種は酸性の土で育てても赤色が保たれます。

このような品種のアジサイは、適切な環境下で栽培することで、一層鮮やかな花を楽しむことができます。

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紫陽花の色を調整する方法

紫陽花の花の色を自分でコントロールする方法があります。

青色の紫陽花を咲かせる方法

青色アジサイを咲かせるには、土壌のpHを5.0~5.5に保つことが重要です。

鹿沼土未調整ピートモスを適切に混ぜることで、土の酸度を調整できます。

市販の調整済みピートモスは中性化されており、この目的には不向きです。

鹿沼土は排水性に優れていますが保水性に欠けるため、保水性が高いピートモスとのバランスを取ることが大切です。

春に、排水性を良くするために鹿沼土を加えつつ、ピートモスを混ぜることがおすすめです。

青色アジサイ専用の培養土を使用すると、土壌を酸性に保ちやすくなります。また、リン酸成分が少ない肥料を選び、水切れに注意して育ててください。

ピンク色の紫陽花を咲かせる方法

ピンク色アジサイを咲かせるには、土壌のpHを6.0~6.5に保つことがポイント。

赤玉土と腐葉土を混ぜ合わせ、苦土石灰を加えて土壌をアルカリ性に調整します。

一般的に、1平方メートルあたり苦土石灰100gを施用するとpHが約0.5上がりますが、石灰が土に安定するまでには数ヶ月かかるため、

事前の準備が重要です。土壌のpHを測定するために土壌酸度計を使用するか、ピンク色アジサイ専用の培養土を利用して、土壌をアルカリ性に保つことが推奨されます。

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【まとめ】紫陽花の花の色はなぜ変わるのか?

紫陽花の色が変わる科学的なメカニズムと、色調整のための具体的な方法をご紹介しました。

紫陽花の色変化は、土壌のpH値と土中のアルミニウムイオンの反応によって起こります。pHが低い酸性の土壌では青色が、pHが高いアルカリ性の土壌ではピンク色が現れやすいです。

また、土壌の水分量、リン酸の濃度、アルミニウム濃度が花の色に影響を与えることがあります。例えば、水分を多く含む土壌やリン酸濃度が高い土壌では、アルミニウムの溶出が阻害され、花色が変わりにくくなります。

品種によっては、色が固定されているものもあり、これらは土壌の性質に関わらず一定の色を保ちます。特にアナベルやノリウツギなどは、どんな土壌でも変化しない色を示すことが知られています。

青色やピンク色の紫陽花を意図的に咲かせる方法もありますので、試してみるのも良いですね。

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