この記事を読んで、2025年の「しぶんぎ座流星群」を楽しむ準備をしましょう。
この記事では、2025年の「しぶんぎ座流星群」について、以下のことが分かります。
- 活動期間、ピーク期間、ピーク時間
- 放射点の方角
- 観測のコツ
- 観測に必要な装備
- しぶんぎ座流星群の名前の由来、母天体
2025年「しぶんぎ座流星群」の概要
しぶんぎ座流星群は12月28日~翌年1月12日まで活動が見られ、1月3日から4日の夜には活動のピークを迎えます。
日本周辺で、最も活動が活発な時間に十分に暗い夜空(薄明かりや月明かりがなく、5.5等星まで見える条件)で観察すると、1時間あたりに約45個の流星が見られると予想されています。
2025年のしぶんぎ座流星群ピーク時は月光は非常に弱く(月の照明が11%)、月の光が観測の邪魔になることはないでしょう。
2025年のしぶんぎ座流星群は、観測条件が非常に良いです。
2025年しぶんぎ座流星群のピーク時期は短い
しぶんぎ座流星群の観測は、タイミングが重要です。
しぶんぎ座流星群のピークが短く約6時間とされいます。
2025年のピークは、1月4日の日本時間午前4時頃と予測されていますが、実際の観測時間は前後する可能性があります。
ピークを逃さないためには、指定された時刻の前後3時間は観測を続けることが理想です。
1月4日前後の数日間にも、1時間に約25個の流星が観測できる可能性があります。明るい火球も観測できるかもしれません。
しぶんぎ座流星群の観測の方角
しぶんぎ座流星群の放射点は空の高い位置にありますので、日本を含む北半球では流星群が非常によく見えます。
北東の空を中心に観察すると良いでしょう。放射点が最も高くなる午前3時~夜明けが観測に最適です。
しぶんぎ座流星群の放射点は、うしかい座ととりゅう座の境界付近です。
南半球では放射点が地平線近くに位置するため、流星を見るのは難しくなります。非常に限られた数の流星しか見ることができないかもしれません。
しぶんぎ座流星群について
母天体について
しぶんぎ座流星群の母天体は定かではありませんが、小惑星2003 EH1が有力です。
2003EH1は過去に彗星C/1490 Y1として知られていた可能性があり、その後、小惑星へと再分類されました。
壁面四分儀座(Quadrans Muralis)からの命名
しぶんぎ座流星群は、かつて存在した壁面四分儀座から名前が取られています。
壁面四分儀座は1795年にフランスの天文学者ジェローム・ラランドによって作られましたが、1928年に国際天文学連合によって公式の星座リストから除外されました。
壁面四分儀座は現在は存在しません。
「四分儀」とは何?
四分儀(しぶんぎ)は、円の4分の1の形をした定規で、目盛りと照準がついている道具です。主に天体の高さを測るために使われます。
星や太陽の高さを測って、自分がいる場所の緯度を知ることができます。また、もし緯度が分かっていれば、時間も知ることができます。
「quadrant(クオドラント)」という英語の名前は、「円を4つに分けた部分」という意味です。日本語の「四分儀」も同じような意味があります。
観測の歴史
しぶんぎ座流星群は1825年にイタリアのアントニオ・ブルカラッシによって最初に記録されました。
1839年には、アドルフ・ケテレとエドワード・C・ヘリックによって、毎年の定期的な現象として認識されるようになりました。
しぶんぎ座流星群観測を快適に楽しむために
しぶんぎ座流星群を快適に観測するための準備やポイントをお伝えします。
まず、流星群の観測には、明るい街の灯りから離れた暗い場所を選びましょう。
観測する際には、次のような装備が役立ちます。
- 暖かい服装と毛布:冬の夜は非常に冷えますので、寒さ対策はばっちりしましょう。
- リクライニングチェア:長時間の観測には、リクライニングチェアがあると快適です。
- 温かい飲み物:温かい飲み物を用意し、体の中から温まりましょう。
- 懐中電灯(赤色フィルター付き):赤色フィルター付きの懐中電灯は、目の適応を妨げずに済みます。
準備を整え、しぶんぎ座流星群の観測をお楽しみください。