「1本の鉛筆を、いろんな方向にクルクル回すと、面積がゼロに近づく?」
鉛筆を回すだけで、数学の謎に近づける!?
そんな、ちょっと不思議な話が数学にはあります。

これは「カケヤ予想(カケヤよそう)」と呼ばれている問題で、日本人の数学者・掛谷宗一(かけや そういち)さんが考え出しました。
一見すると単純な話に聞こえるかもしれませんが、実はこの予想、100年以上にわたって世界中の数学者たちを悩ませてきたんです。
でも――2025年、ついに大きな進展がありました!アメリカの数学者たちが、3次元空間での「カケヤ予想」を証明したのです。
この記事では、「鉛筆を回すだけの問題」が、なぜ世界中の数学者を夢中にさせたのか、そしてどうしてそれが「面積」と深い関係があるのかを、やさしくお話していきます。
1. 「鉛筆をクルクル回す」イメージから始まる不思議な問題
カケヤ予想のスタート地点は、とってもシンプルなイメージです。
1本の鉛筆(または線)を、いろんな方向にクルクル回してみる。
それだけです。
たとえば、机の上に鉛筆を置いて、北向きにしたり、東向きにしたり、ナナメにしたり……
360度、すべての方向に向けてみるとします。
このとき、鉛筆が通る場所(軌道)を全部合わせると、どれくらいの広さが必要になると思いますか?
「鉛筆の長さぶん、ぐるっと回すなら、かなり広い場所が必要そう…」
そう考えるのが自然ですよね。
でも、数学者たちは「もっと狭くできるんじゃない?」と考えました。
そして、びっくりするようなアイデアが登場します。
そんな「ウソみたいな本当の話」が、カケヤ予想のはじまりです。
2. カケヤ集合って? 見た目はペラペラでも数学的には奥が深い!
さて、「鉛筆をいろんな方向に向けられるようにするには、広いスペースが必要だ」と思いがちですが、実は、すごく不思議な図形が存在するんです。
それが、カケヤ集合(カケヤしゅうごう)と呼ばれるもの。
このカケヤ集合には、次のような特徴があります↓
- どんな向きにも線(鉛筆)を置ける
- 見た目はすごくバラバラで、くしゃくしゃした形
- なのに、面積がゼロに限りなく近づける

…えっ、それってどういうこと?って思いますよね。
私たちがふだん見る図形、たとえば三角形や四角形は、ちゃんと面積があります。
でもカケヤ集合は、いろんな方向に線を向けられるよう工夫して、どんどん形を細く分けていくことで、面積をギリギリまで小さくしていくんです。
たとえるなら、「紙を無限に折って、ペラペラにしても、ちゃんと線は置けるようにする」感じ。
だから「見た目はペラペラ」だけど、数学的にはとっても奥が深いんですね。
この不思議な図形は、図にしてもなかなかイメージしづらいのですが、それでも数学者たちは、数式や理論を使ってこの性質を研究してきました。
そして、それが次の大きな問いにつながっていきます。
それが、いよいよ「カケヤ予想」です。
3. 「カケヤ予想」ってどんな予想?
ここまで読んでくださったみなさんなら、もう「カケヤ集合」がどんなものか、なんとなくイメージできてきたかもしれません。
それでは、「カケヤ予想」とは何を予想しているのでしょうか?
ざっくり言うと、こんな問いです。
カケヤ集合は、一見すると面積がゼロに近づくくらいスッカスカの図形に見えます。
でも、「線をすべての方向に向ける」という条件があるため、数学的には、ある種の“広がり”が消せないのでは? と考えられてきました。
これをもっと数学っぽく言うと、
「どんなカケヤ集合も、ある次元の“測度”(大きさ)を必ず持つはずだ」
というのが「カケヤ予想」なんです。
予想だけど、なかなか証明が難しい!
この予想は、すごくシンプルな見た目の問題なのに、数学的に証明しようとすると、ものすごく難しい理論や方法が必要になります。
何十年も、世界中の頭脳がこの予想に挑んできましたが、なかなか完全な証明には至りませんでした。

ところが――2025年、ついに大きな進展が起こります。
次は、「カケヤ予想」がどうやって突破されたのか、最新の発見について、わかりやすくご紹介します!
4. ついに2025年、大きな進展が!

長い間、誰も証明できなかった「カケヤ予想」、その一部が、ついに2025年に突破されました。
アメリカの数学者、王 虹(おう こう / Hong Wang)さんとジョシュア・ザール(Joshua Zahl)さんのチームが、「3次元の世界」でのカケヤ予想について、証明に成功したのです。
3次元というのは、たとえば「縦・横・高さ」がある空間のこと。
私たちが住んでいる世界そのものですね。
どれくらいすごいことなの?
この証明は、数学の専門家たちの間で「ものすごい発見だ!」と話題になりました。
それは、「カケヤ予想」がとてもシンプルに見えるのに、高い数学の技術と知識がないと手も足も出ない問題だったからです。
今回の証明によって、
- 「3次元空間においては、カケヤ予想が正しい」と証明された
- 他の次元への応用や、新しい数学理論の発展につながる可能性がある
ということで、今後の数学研究にとって大きな一歩となっています。
でも、まだ“完全な証明”ではない
ただし、誤解しないでくださいね。「カケヤ予想」そのものは、まだすべての次元で証明されたわけではありません。
でも、「3次元で成功した」というのは、「いつかすべての次元でも証明できるかもしれない!」という希望につながるんです。

「クルクル鉛筆を回すだけの話」が、こんなふうに深い数学の世界とつながっているなんて、ちょっとワクワクしませんか?
まとめ:数学の世界っておもしろい!
1本の鉛筆を回す、ただそれだけのシンプルな発想が、実は数学の世界ではとても深くて、大きな謎につながっていました。

「カケヤ予想」は、「どんな向きにも線を置けるような図形を、どれだけ狭い範囲に収められるか?」という問いから生まれたものです。
一見単純に見えても、その奥には
- 数学的な「広がり」や「厚み」の概念
- 測度(ある種の大きさ)の深い理論
- 図形や空間の見え方に関する考察
など、たくさんの難しいテーマが隠れています。
でも、そんな難問に、2025年には一歩近づくことができました。
「3次元空間におけるカケヤ予想」が証明されたことで、私たちはまたひとつ、数学の地図を広げることができたのです。