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2035年9月2日、日本で貴重な皆既日食を観測できる日がやってきます。
しかも9月2日は日曜日なので、観測しやすいですね!
皆既日食とは、月が太陽を完全に覆い隠し、昼間にも関わらず一時的に夜のように暗くなる現象です。
この神秘的な現象を、次に日本で体験できるのは約10年後。(記事執筆現在:2025年)
観測の好条件が揃う地域やおすすめスポットを事前に知っておくことで、その瞬間を最大限に楽しむことができます。
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この記事では、2035年の皆既日食が「いつ」「どこで」見られるのかを詳しく解説するとともに、観測に向けた準備や楽しみ方まで徹底ガイドします。
この一生に一度の天文現象を見逃さないために、ぜひ最後までチェックしてください!
【2035年9月2日】日本での皆既日食:基本情報
2035年9月2日、日本で貴重な皆既日食を観測するチャンスが訪れます。ただ、特定の地域でしか見ることができません。
2035年 日本で皆既日食が見られる地域「皆既日食はどこで見られる?」:日食帯の範囲
皆既日食が見られる地域は「皆既帯」と呼ばれる細長い帯状の範囲に限られます。
この皆既帯に入らない地域では、皆既日食ではなく部分日食しか観測できません。
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以下のX画像の「赤色の範囲」に位置していれば「皆既日食」が見られます。
日本で見られる皆既日食は2035年9月2日。能登半島から関東北部の地域で見られます。画像の赤色の範囲がその地域。それ以外の地域でも部分日食が見られます。詳しい情報は #国立天文台 暦計算室の日食各地予報をご覧ください。 https://t.co/YOFCrZhD6n pic.twitter.com/sMx0SwBoHF
— 国立天文台 (@prcnaoj) August 22, 2017
2035年の皆既日食は、日本国内では北陸地方から関東北部にかけて観測可能です。
以下の地域が皆既帯に含まれます。
- 富山市
- 長野市
- 前橋市
- 宇都宮市
- 水戸市など
一方、東京23区や金沢市は皆既帯から外れるため、部分日食となります。
国立天文台のウェブサイトなどで、詳細な地図やシミュレーションを活用して、自分の観測地が皆既帯に含まれているか事前に確認しましょう。
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2035年9月2日の皆既日食は、日本の一部地域で観測可能です。事前に観測場所や時間を確認し、準備を整えて「皆既日食」を楽しみましょう!
皆既日食のスケジュール
長野市での観測例を基に、日食の進行スケジュールは以下の通りです。
【長野市での皆既日食進行スケジュール】 | |
---|---|
部分日食の開始 | 8時43分頃 |
皆既日食の開始 | 10時04分頃 |
最大食(最も暗くなる瞬間) | 10時05分頃 |
皆既日食の終了 | 10時06分頃 |
部分日食の終了 | 11時29分頃 |
皆既日食の継続時間は約2分12秒と予想されています。
県で言えば、一番条件がいいのは飯山市で、長野県飯山庁舎あたりに皆既帯の中心が通っています。
引用元:しあわせ信州長野県魅力発信ブログ
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長野県で皆既日食の観測条件が良いとされる飯山市は新幹線の駅があり、都内からのアクセスは抜群です。
ただし、観測地点によって時刻や継続時間は異なるため、事前に詳細な情報を確認することをおすすめします。
【2035年9月2日】皆既日食の観測場所選びについて
2035年9月2日の皆既日食は、日本の北陸地方から関東北部にかけて観測できます。具体的には、富山市、長野市、前橋市、宇都宮市、水戸市などが皆既帯に含まれます。
観測場所は視界が開けていることが望ましいです。建物や木々に遮られない広い場所を選びましょう。
さらに、交通の便も考慮し、アクセスしやすい場所を選ぶと良いでしょう。
観測地の選定にあたっては、各地の観光協会や天文台の情報を参考にすることをおすすめします。
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例えば、新潟県妙高市の赤倉温泉観光協会では、2035年の皆既日食を見据えてPR活動を行っています。
⇒参考WEBサイト:雪国ジャーニー
このような地域では、観測イベントが開催される可能性もありますので、最新の情報をチェックしてみてください。
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また、先ほどもお伝えしました通り、長野県で皆既日食の観測条件が良いとされる飯山市は新幹線の駅があり、都内からのアクセスは抜群です。飯山市付近も野沢温泉などの観光地があります。
【2035年9月2日】皆既日食観測の準備に関して
皆既日食は、正しい準備をしないと安全に楽しむことができません。
ここでは、皆既日食を観測するために必要な準備や注意点を紹介します。
1. 観測時の注意点
皆既日食を観察する際、最も重要なのは目を守ることです。
太陽を直接見ると、目に大きなダメージを与える危険性があります。次のポイントを守りましょう。
- 日食グラスを使用する:皆既日食観測専用の「日食グラス」を使用してください。通常のサングラスやフィルムでは目を十分に保護できません。
- 皆既中以外は直視しない:月が太陽を完全に覆った「皆既中」だけは肉眼で見ることができますが、それ以外の時間帯では必ず日食グラスを使って観測してください。
2. 必要な道具と装備
皆既日食をより快適に楽しむために、以下の道具や装備を用意しましょう。
観測用道具
- 日食グラス
- 双眼鏡や天体望遠鏡(専用フィルターを装着したもの)
- カメラやスマートフォン(撮影用の太陽フィルターを使用)
アウトドア用の装備
- ポータブルチェアやレジャーシート
- 日除け用の帽子やテント
- 水や軽食
3. お子様連れの場合
お子様と一緒に観測する場合は、特に安全対策をしっかり行いましょう。
- 子供が目を直接太陽に向けないよう、必ず日食グラスを着用させてください。
- 退屈しないよう、観測中の解説やクイズを用意するのもおすすめです。
- 長時間の観測に備えて、防寒具や日焼け止め、虫除けスプレーなども持参しましょう。
4. 事前準備のポイント
- 観測地の下見:事前に現地を訪れ、視界やアクセス状況を確認しておくと安心です。
- 当日の天候確認:天気が悪い場合はライブストリーミングを視聴するのも一つの方法です。
- 時間管理:観測スポットは混雑が予想されるため、早めに到着する計画を立てましょう。
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正しい準備をしておくことで、皆既日食を安全・快適に楽しむことができます。
皆既日食の科学的な背景
皆既日食は、天文学的にとても興味深い現象です。
「なぜ皆既日食が起こるのか」を知ることで、さらに観測が楽しくなります。わかりやすく、その仕組みや面白さを解説します。
1. 皆既日食が起こる仕組み
皆既日食は、地球・月・太陽が一直線に並んだときに起こります。地球から見ると、月が太陽を完全に覆い隠すように見えるため、昼間にもかかわらず周囲が暗くなります。
ただし、日食が毎月起こるわけではありません。
これは、地球の公転軌道(太陽の周りを回る道)と月の軌道が少し傾いているためです。そのため、地球、月、太陽が完全に一直線に並ぶのは珍しいタイミングなのです。
2. 皆既日食で見られる現象
皆既日食では、いくつかの特別な現象を観察することができます。
- ダイヤモンドリング:皆既日食が始まる直前と終わる直後に、太陽の端が一瞬だけ輝く現象です。まるでダイヤモンドの指輪のように見えるため、この名前が付けられました。
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ダイヤモンドリング
- コロナ:月が太陽を覆ったとき、太陽の外側に広がる光の輪(コロナ)が見えます。普段は肉眼では見えないこの部分を観察できるのが皆既日食の醍醐味です。
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コロナ
3. 皆既日食のもたらす影響
皆既日食が起こると、地球上では次のような現象が起こります。
- 気温の低下:太陽が隠れることで、短時間ですが周囲の気温が下がります。
- 動物の行動の変化:昼間なのに急に暗くなるため、鳥が巣に戻るなど、動物たちが「夜」と勘違いすることがあります。
4. 過去の皆既日食と今回の比較
日本では、2009年7月22日に屋久島や奄美大島を中心に、皆既日食が観測されました。この年は、国内で46年ぶりの皆既日食ということもあり、多くの人々を感動させました。
2035年の皆既日食は、2009年7月22日以来の貴重なチャンスです。また、観測可能エリアが本州を含むため、より多くの人が楽しめる可能性があります。
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皆既日食の仕組みを知ることで、当日ただ見るだけでなく、「どんな現象が起こるのか」を考えながら観測を楽しめるようになります。
まとめ
2035年9月2日、日本では約26年ぶりに皆既日食を観測することができます。
皆既日食はいつ?
- 日時:2035年9月2日(日曜日)
皆既日食はどこで見られる?
- 観測可能エリア:
北陸地方から関東北部にかけての地域
(例:富山市、長野市、前橋市、宇都宮市、水戸市)
日本で見られる皆既日食は2035年9月2日。能登半島から関東北部の地域で見られます。画像の赤色の範囲がその地域。それ以外の地域でも部分日食が見られます。詳しい情報は #国立天文台 暦計算室の日食各地予報をご覧ください。 https://t.co/YOFCrZhD6n pic.twitter.com/sMx0SwBoHF
— 国立天文台 (@prcnaoj) August 22, 2017
皆既日食は何時何分から始まる?(長野市の場合)
- 部分日食の開始:8時43分頃
- 皆既日食の開始:10時04分頃
- 最大食(最も暗くなる瞬間):10時05分頃
- 皆既日食の終了:10時06分頃
- 部分日食の終了:11時29分頃
※現時点での予測値はあくまで参考情報としてご活用ください。最終的な正確な時刻は、観測日の近くに公開される公式情報を参照してください。
2035年の皆既日食は、日本国内で本州を含む広いエリアで観測できる貴重な機会です。観測場所や準備をしっかり整え、歴史的な瞬間を楽しみましょう。
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ちなみに、2035年9月2日の皆既日食の後、日本で次に皆既日食が観測できるのは2042年4月20日です。この日、鳥島付近で皆既日食が見られます。その後、2063年8月24日には、北海道南部や青森県で皆既日食が観測可能です。