
2025年のりゅう座流星群は、10月初旬に見頃を迎えますが、月明かりの影響がある中での観測となりそうです。
それでも、空を横切るゆったりとした流星の美しさは、見る人を感動させてくれるはず。
この記事では、2025年のりゅう座流星群を楽しむために知っておきたい情報を分かりやすくまとめました。初心者の方も、観測の準備に役立つポイントをチェックして、素敵な星空観察のひとときを過ごしてください。
【りゅう座流星群のポイント】
- 観測の最適時期とピーク:活動期間は2025年10月6日~10日、10月9日午前4時頃が極大(ピーク)
- 観測の方角:北の空が放射点だが、放射点にこだわらず空全体を見渡す。月明かりを背に広い空を見渡すのがポイント
- 1時間あたりの流星数:理想的な観測条件下で1時間に見られる流星の数は約5個と少なめ。条件次第で流星の発見率が変わる
- りゅう座流星群の特徴:ゆっくり流れる流星は願い事にぴったり!
観測の最適時期:活動期間と極大(ピーク)について
2025年のりゅう座流星群は、10月6日から10月10日にかけて活動が活発になると予測されています。特に、10月9日午前4時頃に極大(ピーク)を迎える見込みです。
しかし、満月を過ぎた明るい月が一晩中昇っているため、月明かりの影響で観測条件は厳しいかもしれません。それでも、流星の速度が遅いため、観測のチャンスは十分にあります。
観測の方角
りゅう座流星群の放射点は、北の空に位置するりゅう座β星付近です。
観測時には、放射点を直接見る必要はなく、空全体に目を向けることで流星を見つけやすくなります。

特に、月明かりを避けるために月を背にして観測することをおすすめします。
1時間当たりの流星の数
2025年、理想的な条件下で1時間に5個程度の流星が見られると予測されています。
しかし、実際の観測では、月明かりや周囲の光害の影響を受けるため、1時間に数個程度と考えておくと良いでしょう。
「りゅう座流星群」概要と豆知識
- 名称の由来
りゅう座流星群は、かつて母天体であるジャコビニ・ツィナー彗星にちなんで「ジャコビニ流星群」と呼ばれていましたが、2009年に国際天文学連合(IAU)により現在の名称に改められました。 - 母天体
母天体であるジャコビニ・ツィナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)は、約6.6年の周期で太陽を回っています。この彗星が放出した塵が地球の大気に突入することで、流星群が発生します。 - 流星の特徴
りゅう座流星群の流星は、速度が遅く(約21km/s)、明るいものが多いのが特徴です。そのため、観測しやすく、写真撮影にも適しています。
「りゅう座流星群」過去の大出現
りゅう座流星群は、約13年周期で大出現することが知られています。
特に、1933年や1946年には、1時間に数千個もの流星が観測された記録があります。
その後の周期でも、1985年(ZHR(※)200~300)、1998年(ZHR約800)、2011年(ZHR約300)などの活発な活動が確認されていますが、近年は流星の数が減少傾向にあります。
ZHR(※)は、「Zenithal Hourly Rate(天頂出現数)」の略です。
ZHRは、流星群の活動度を表す指標で、理想的な観測条件下で1時間に見られる流星の数を示します。この「理想的な条件」とは以下のような状況を指します。
- 放射点が天頂(観測地点の真上)にある。
- 観測地点に光害がなく、空が完全に暗い。
- 観測者の視力が良好である。
実際の観測では、放射点が低かったり、月明かりや街灯などの光害があるため、ZHRの値通りに流星が見えることはほとんどありません。しかし、ZHRは流星群の活動の強さを比較する上で役立つ指標として、天文学者や天体観測ファンに広く利用されています。
観測をより楽しむためのポイント
りゅう座流星群を最大限に楽しむためのポイントを以下にまとめました。
- 観測場所の選択
街灯や人工的な光が少ない、山間部や郊外の開けた場所が理想的です。視界が広く取れる場所を選びましょう。 - 目を暗闇に慣らす
観測を始める前に、15分ほど暗闇に目を慣らすことで、微かな流星も見つけやすくなります。 - 月明かりの対策
月が出ている場合は、月を背にして観測することで、視界に入る光を減らし、流星を見つけやすくなります。 - リラックスした姿勢
長時間の観測になるため、レジャーシートやリクライニングチェアを用意し、快適な姿勢で空を見上げましょう。 - 観測時間の工夫
放射点の高度が高い時間帯、特に8日の夜から9日の深夜にかけてが観測のチャンスです。月の出の時間も考慮して、最適な観測時間を選びましょう。
観測時の注意点
- 防寒対策
10月上旬の夜間は冷え込むことが多いため、暖かい服装やブランケットを準備しましょう。特に、地面からの冷気を防ぐための敷物もあると便利です。 - 天候の確認
観測前に天気予報を確認し、晴天が予想される日を選びましょう。曇りや雨の日は観測が難しくなります。 - 安全対策
人気の少ない場所での観測は、安全面に十分配慮しましょう。複数人での観測や、家族や友人に観測場所を知らせておくと安心です。 - 周囲への配慮
観測中は静かにし、他の観測者や近隣の住民への配慮を忘れずに。また、ゴミは持ち帰るなど、マナーを守りましょう。
「まとめ」りゅう座流星群の観測を楽しもう!
2025年のりゅう座流星群は、月明かりが観測条件を難しくするものの、放射点が一晩中北の空に見えるため、十分に楽しむことができます。
特に、10月9日の極大時間を中心に、空が開けた場所でゆっくりと夜空を眺めてみてください。
観測をより楽しむためには、防寒対策をしっかり行い、事前に観測場所を選び、快適な環境を整えて臨むことが大切です。
また、流星を見つけた際には、ぜひ願い事をしてみてください。ゆっくり流れる流星は、願いを込める絶好の機会です。

2025年の秋、夜空を見上げながら、りゅう座流星群の美しさを堪能し、星々に包まれる特別なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。